ショートショート

趣味コラム

短編小説 『噂の男』

 時は戦国、豊臣による天下統一が目前に迫った頃。ある小さな大名家の城下町では、ひとつの噂が流れていた。「近頃この辺りの村に一人の男が出没し、気に入った娘を攫って行くらしい」 どこからともなく伝わったその話によると、その男は腰に刀を携えた侍...
趣味コラム

短編小説 『時をかけるライター』

 過去や未来を行き来することができる力、テレビや漫画で知り、一度は憧れたことがある人も多いのではないのだろうか。 どうやら僕にも同じ力があったらしい。とはいえ、小さい頃に思い描いていたような自在な力からは程遠かったが。  昨晩、バイ...
趣味コラム

ショートショート 「帽子」

「違う、これじゃない」 僕は被っていた帽子を手ではたき落とした。「そうなの?じゃあこっち?」 お母さんがそう聞いてくれる。「違う!それも違う、僕の帽子は麦わら帽子!」 そう、僕の帽子は麦わら帽子。被れば腕が伸びる魔法の帽子。「麦わら帽子は...
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ショートショート 「走るハムスター」

 黄緑色の葉がジグザグに生い茂る木々を横目に、アスファルトの固さを感じながら走っていた。 今日はどれくらい走っただろうか、腕についた精密機器を確認する。この確認は走る時に必ず行う僕の遊びだった、自分が何分走ったのかを体感で当てる遊び。 こ...